旅行でとある田舎町を訪れたとき、ぼろっちいビジネスホテルに泊まりました。そこの足腰が弱く、耳も遠いおばあさんとそのご主人でした。2人は1匹の猫を飼っていて、旅館内を自由に闊歩していました。
その旅館の1階には夫婦の居住スペースがあり、トイレはドアが開けっぱなしでした。だから、猫もトイレに入っていきます。
私は「何をやってるのか?」と思ってトイレを覗き込んだら、なんと、猫はトイレの水をペロペロ舐めていたんですよ!
「おばあさん、ちょっと、猫がトイレの水を舐めてますよ!」
私がおばあさんに向かって言いますが、おばあさんは「ああ?」みたいな反応で、何が起こっているのかもわかっていないみたいでした。しかたないので、私は猫を抱き上げてトイレから出して、水飲み場まで連れて行きました。
このときはびっくりしたのと同時に、「汚いな」と思いましたが、かわいらしい猫にもちろん罪はありません。そして、猫がトイレの水を飲むのは、決して珍しいことではないんですよ。味や臭いが猫好みだという理由もあるようですが、トイレの水の味や臭いって……。考えただけでゾッとしますが、人間の価値観と猫の行動原理は必ずしも一致しないので仕方ありません。
ただ、水洗トイレの水は、単に不衛生なだけでなく、洗剤や芳香剤などが混ざっていることもあって、猫にとって危険です。まずは、猫をトイレの個室に入れないことを徹底すべきでしょう。そうしないと、今回紹介する動画のようになってしまいます。
水洗トイレの水が流れると、興味津々で覗き込むキジトラちゃん。流れ終わると便器に飛び乗って、手や顔を突っ込んで……。飼い主がもう一度水を流すと、びっくりして飛びのいてしまいました。それでも気になるので、便器の中を恐る恐る覗き込んで……。浴槽の縁から体を便器にニューっと伸ばして、水の流れを見ている姿も映っています。キジトラちゃんは、
よほど水洗トイレの水の流れが気になるのでしょう。
キジトラちゃんの動きは可愛らしいんですが、「トイレの水を飲むんじゃないか?」「便器の中に落ちるんじゃないか?」と心配になります。 飼い主が監視しているので、キジトラちゃんが変なことをするわけではないはずで、その点は安心してみていられる動画でした。