先日、知人とピザ屋で食事をしたとき、知人が「フンギピザ」というのを頼んでいました。私は「フンギ」を知りませんでしたが、運ばれてきたピザを見て「フンギ=キノコ」だと理解しました。
「フンギ(fungi)」は、菌類を表す「ファンガス(fungus)」の複数形です。ただ、ピザで「フンギ」という場合、キノコを意味するのはお約束のようですね。そんなフンギの不思議な生態を映した動画がYouTubeで公開されています。
不気味なBGMとともに映し出される曇り空、そして鬱蒼とした森――。雨上がりの湿った大地は、キノコたちにとっては楽園です。地面からニョキニョキッと頭を出して、背を伸ばしながら傘を広げていくキノコ。蛍光色の光を放っているのは、特殊なライトでも当てられているのでしょうか?
朽ちた木を侵食しながら生えてくる黄色いキノコもあれば、エリンギのような形をしたキノコやイソギンチャクのような形をしたキノコもあります。小さな存在がどんどん大きくなっていって、辺り一面を埋め尽くす光景は、気持ち悪さと美しさがあります。か弱い命が賢明に頑張っているようにも見える一方で、大地を侵略する邪悪な存在にも見えるからです。
私はキノコを見るのが子供のころから好きでした。その不思議な形、触ると崩れる脆さ、そして、食用になったり猛毒になったりという種類の豊富さ――。キノコにはさまざまな表情があって、私たち人類との関係も決して浅くはありません。ビザの具材だけでなく、食卓にはシイタケやシメジ、エノキ、エリンギ、ナメコ、マツタケなど、数多くの食用キノコが並び、いずれも味や食感が異なります。こんなにもいろんなキノコがあるって、不思議じゃないですか?
しかし、勢いよく生えてきたキノコたちにも寿命があります。ひょろ長くて白いキノコたちも、密集していたキノコたちも、蛍光色に光るキノコたちも、最後にはシナシナッと崩れていきます。諸行無常。盛者必衰。一時期興隆を極めたキノコたちも、貴族社会でのし上がった平家と同じく、滅び去るときが訪れます。そんなキノコたちの一生を美しく見せてくれる動画に見入ってしまいました。