子供の頃、掃除機を使って掃除をしているとき、脱ぎ捨ててあった靴下を吸い込んでしまって焦ったことはありませんか?
私もやらかしちゃったことがあって、靴下を片方吸い込んでしまった後に大慌て。ノズルを伝って靴下が移動するブルブルブルッという変な音がして、慌てて掃除機のスイッチを切りますが、もちろんの吸い込み口から靴下が落ちてくるわけがありません。しかたないので母親に頼んで、本体を開けてもらい、靴下を救出したわけですが……。綿埃が大量にくっついていて、もう二度と履きたくないほど汚らしい靴下になっていました。この後、母親に「靴下をその辺に脱ぎ捨てるな!」ときつく叱られたのはいうまでもありません。
この事件以来、掃除機でゴミ以外を吸い込むことに興味を持つようになりました。学校の掃除で、たまに和室を掃除機がけすることがあります。そういうとき、落ちているハンカチや鉛筆などを知らんぷりして吸い込んで、一人でニヤニヤしていました。特に硬いものを吸い込むと、ノズルや本体のあちこちにぶつかるカランカランという音がして気持ちいいんですよね。
掃除機で吸うことに心がときめく感覚は、多くの人たちと共有できるものではありません。しかし、YouTubeには、そんな私が思わず見入ってしまう動画が公開されています。
動画に登場するのは、大きくて黒くてごっつい掃除機です。いかにも凶暴そうで、「何でも吸い尽くしてやる!」というオーラを放っています。この掃除機を使って、撮影者は、自分が履き古した靴下をどんどん吸い込んでいきます。
床に一列に並べられた色とりどりの靴下たち。紺色に白い水玉、赤いラインがオシャレな靴下が先頭です。その後ろに、黄色の靴下、黄緑の靴下、アルファベット入りの靴下……と整列しています。どれも可愛らしい靴下たちです。しかし、撮影者は、これらの靴下を「汗で汚れていて不潔な靴下」と言ってゴミ扱いします。だから、ゴミを掃除機で吸ってしまおうとしているんですね。
1足目が吸い込まれ、続いて2足目、3足目……。お腹を空かせた掃除機の食欲は旺盛で、どんどん靴下たちを飲み込んでいきます。床の靴下たちを吸い尽くしても物足りなそうな掃除機を満足させるため、撮影者は次に、カゴに入った靴下たちを生贄として捧げます。しかし、掃除機が欲張って一気に何足もの靴下を吸い込もうとして喉を詰まらせてしまいました。撮影者は一足ずつ吸い込みやすいようにして、縞々の靴下やキャラクターの顔が描かれた靴下などがどんどん掃除機の餌食になっていきます。何の悪さもしていない靴下たちが、撮影者に見捨てられて、掃除機の吸い込み口に消えていくのは、見ていて気の毒ではありませんか?
最後に、撮影者は、掃除機本体をパカッと開けました。そこには、吸い込まれた靴下たちの姿が――。「どうしてこんな目に遭わなきゃいけないのよ?」という恨みの声が聞こえてきそうな光景です。この靴下たちはゴミとして捨てられるのでしょうか?
掃除機の楽しさをたっぷり味わえる動画でした。靴下が好きな人にとっては心臓に悪い動画かもしれませんが、掃除機好きにはたまらないでしょう。