泣き止まない赤ん坊を布でくるんで、母親の胎内にいたときの状況を再現するのが「おひなまき」です。赤ん坊の頭を出して、手足を折り曲げる形で体全体を布でくるんで縛ります。こうすることで、赤ん坊は子宮内にいたときの姿勢になり、安心感を得て泣き止むといいます。首のすわりが早くなったり、SIDS(乳幼児突然死症候群)を防止したりする効果もあるそうです。
一方、胎内回帰を望むのは赤ん坊だけではありません。ストレスにさらされ心の落ち着かない大人の中には、「お母さんのお腹の中に戻りたい」と願う人も少なくありません。むしろ、大人の方が現実逃避したがっているんじゃないですかね?
そんな大人たちのためのおひなまきは「おとなまき」と呼ばれます。おとなまきを考案した京都の助産師によると、出産後の女性がおとなまきをすることで、背中や腰の痛みが和らいで、腹筋も鍛えられるとのこと。胎児のような姿勢に慣れることから、おとなまきを体験した大人たちからは「落ち着く」などの好意的な感想が寄せられています。
おとなまきがテレビで紹介されると、白い布に人が包まれているその異様さが話題となりました。「ホラー映画みたい」「狂気的」などの声も多く、もはやネタ扱いです。中には、高額な「おとなまき用布」や「首まくら」がビジネスであると批判する声や、おとなまきの危険性を訴える声も噴出しました。
賛否両論のおとなまきの様子や手順を映した動画が、YouTubeにいくつもアップされています。その中から、子供がおとなまき(こどもまき?)されている動画を見てみましょう。
1つめは、おとなまきされた子供が転がりながら笑う動画です。母親に「どうですか~?」と聞かれ、子供は「気持ちいいぃ~」と答えています。ピンクや紫などの布をかけて遊んでいます。画面の外からも笑い声が聞こえてきて、他の思想なんで、これはこれでいいんじゃないんですか?
2つめは、親子で大人巻きをして、転がって遊んでいる動画です。「理屈じゃない。体の感性に耳をすませると、なぜか、体も心もほぐれる~~!」だそうです。けがをしないように、誰かが近くで見守っているなら、「お好きにどうぞ」って感じですね。
おとなまきブームがこれからも続くのか、それとも廃れていくのか?はたまた、別のジャンルで密かなブームとなっていくのか?いずれにしても、最近は何が流行るか分からないから驚きです。