FSC(Forest Stewardship Council、森林管理協議会)は、1993年10月にカナダで創設されたNGOで、国際的な森林管理の認証を行うことを主な活動内容とします。
FSCが提案した「森林認証制度」は、適正に管理された森林から産出した木材などに認証マークを付けることで、持続可能な森林の利用と保護を図ることを目的とします。この制度は、過伐採や違法伐採の抑止効果も期待されています。
FSCの国際本部は現在、ドイツのボンにあります。世界各地に支部があり、日本にもFSCから正式に承認を受けた「FSCジャパン」があります。FSCジャパンは、企業や団体とのイベント開催などを通じて、森林認証制度の普及を目指しています。
他国のFSC支部もそれぞれイベント主催や広報活動を行っています。中でも、FSC Belgium(ベルギーのFSC)が作成した動画は強烈です。実際にYouTubeで動画を見てみましょう。
森林に集う老若男女――。彼らは、樹皮を指先で撫で、葉の香りを嗅いでいます。それだけなら「この人たちは自然が好きなんだね」で終わりですが、さらに刺激的な展開になっていきます。人々は樹木に腕を回して抱き着き、厚い接吻をするのでした。まるで恋人とそうするかのように、恍惚の表情を浮かべながらチュッ!
舌を出して樹皮を舐めている男性もいますし、爪を立てている男性もいます。スーツ姿の女性も、樹の根元に膝をついて、何かを訴えかけているかのようです。麗しの美女が樹とキスを交わしているシーンは、恋愛ドラマのキスシーンさながらの濃厚さです。そして、地面に這いつくばったおっさんは、シダ植物の葉を口に含もうとしています。
樹木に対する強い愛情、すなわち「デンドロフィリア」を前面に出されていて、かなり鮮烈なインパクトがあります 。ヨーロッパ人は、歴史的には森林を支配対象として管理してきました。そうした管理とは決別し、隣人を愛するがごとく森林を守っていこうということなのかもしれません。とはいえ、PRの方向性が歪んでいるように思うのは、私だけでしょうか?(笑)