「ミルクチャレンジ」は、設定された時間内に大量の牛乳を飲み干すゲームです。「ミルクチャギング」「ガロンチャレンジ」とも呼ばれています。さまざまなバリエーションがありますが、一般的には、1時間以内に1ガロン(約3.8L)の牛乳を吐き出すことなく飲み干すことが求められます。
ミルクチャレンジには以下の3つの普遍的なルールがあります。
- 出場者は、1ガロンの牛乳を1時間以内に飲まなければなりません。
- 出場者が時間内に牛乳を飲み干した場合、チャレンジが終了するまで嘔吐してはいけません。
- 出場者が1ガロンの牛乳を一定の時間吐き出さなければ勝利になりますが、吐き出したら敗北になります。
ミルクチャレンジに関する最初の記録は1997年の初めに遡ります。起源についていくつかの説がありますが、1997年の前から存在していたのは確かです。米国の野球投手、ビル・リーは自伝『The Wrong Stuff』で、ミルクチャレンジが1960年代後半には存在していたと述べています。
ミルクチャレンジが広く知れ渡るようになったのは、米国のテレビ番組で取り上げられたからです。2000年にオレゴン州ポートランドで撮影されたミルクチャレンジでは、1時間に1ガロンの牛乳を飲み干そうとした各参加者が次々と嘔吐しました。前年の1999年には、ノースカロライナ州で、乳業を促進するためのミルクチャレンジのコンテストを開始しました。
ミルクチャレンジは人気があり、特に米国で絶大な支持を集めています。有名人によるチャレンジだけでなく、高校生や大学生によるチャレンジもメディアで報道されてきました。
一見すると簡単そうなミルクチャレンジですが、達成することは「不可能」だといわれています。なぜなら、人間の胃の容量は限られていて、1.9 Lまでしか水分を保持できないからです。胃の感覚受容体は、容量が限界に達すると、胃を空にするため急速な嘔吐反射を引き起こします。
しかも、1ガロンの牛乳を飲むことは、1ガロンの水を飲むことよりも困難です。牛乳の脂肪とタンパク質は、胃が水分を小腸に放出するのを妨げ、より多くの液体を胃に残してしまいます。また、胃酸とプロテアーゼの作用により、牛乳内のタンパク質が変質し、牛乳が濃厚な半固形物質に膨張し、逆流せずに胃に残る牛乳の量がさらに減少します。さらに、多くの人々が牛乳の主成分である乳糖を代謝できないため、乳糖不耐症によって牛乳を胃にとどめておくことができないともいわれています。
そんな過酷なミルクチャレンジに挑戦した美女の姿をYouTube動画で見てみましょう。レザージャケットを着た美女が砂浜で3Lの牛乳をグイグイ飲んでいきますが、飲み干した後すぐに……。予想通りの結果です。そう簡単にミルクチャレンジは成功しないということです。