料理の材料となる白いクリームには、生クリームとホイップクリームがあります。
生クリームは動物性脂肪、つまり牛乳だけを原料にして作られたクリームです。日本では乳等省令(乳及び乳製品の成分規格等に関する省令)で、「生乳、牛乳または特別牛乳から乳脂肪分以外の成分を除去し、乳脂肪分を18.0%以上にしたもの」と定められています。省令が制定された当時は不衛生な牛乳も多かったため、衛生管理を徹底することが必要だったといわれています。現在では想像も付きませんが、牛乳や乳製品は必ずしも安心安全ではないということです。
生クリームは、精製していない牛乳を加熱殺菌した後、放置・冷却して乳脂肪分を分離させて作られます。工場では遠心分離機が用いられます。
一方、ホイップクリームは動物性脂肪に植物性脂肪を加えたクリーム、もしくは植物性脂肪だけから作られたクリームです。砂糖やバニラ、コーヒー、チョコレートなどで風味が加えられた製品が多いです。
泡だて器やハンドミキサーを使って生クリームを空気を含むように撹拌し、コロイド上になったところで空気が入り、もともとの体積の倍ほどになります。「ホイッピング・サイフォン 」という製造機でも作られます。このときに泡を作る気体として、亜酸化窒素が用いられるます。
パッと見はそっくりな生クリームとホイップクリームですが、食べてみると違いがわかります。生クリームは乳脂肪が多いため、濃厚な味わいを楽しめます。ただし、牛乳が苦手な人は、コクの深い味を受け付けない可能性があります。一方、ホイップクリームは生クリームに比べて淡白な味ですが、人によってはこちらの方が食べやすいようです。
また、カロリーは生クリームとホイップクリームで大差ありませんが、コレステロールは生クリームの方がかなり多く含みます。その差は50倍以上といわれます。健康を気にするのであれば、生クリームの大量摂取は避け、代用品としてホイップクリームを使うのが賢明でしょう。
泡立てたときにも違いがありますので、レシピによって使い分けるのがコツです。シチューやスープには生クリームを入れ、ケーキなどの洋菓子を飾り付けるときはホイップクリームを使う、というのが代表的です。
そんなクリームですが、ほとんどの子供にとっては大好物です。特にクリームいっぱいのケーキに目を輝かせる子は多いでしょう。中には、クリームそれ自体を食べたがる子もいます。
しかし、子供が喜ぶからといって、クリームを大量に食べさせると……。甘いものはちょっと食べるから美味しいのであって、クリームを口の中いっぱいにしたらどうなるのかは、以下の動画で確認してください。