「ヘヴィファイト」という言葉をご存知でしょうか?
「ヘヴィファイト」もしくは「アーマードバトル」は、中世ヨーロッパの騎士が着用した鎧や兜、盾、ガントレットなどを身にまとい、ロングソードやメイス、ポールウェポンなどの武器で殴り合うスポーツです。中世を舞台にした映画やマンガに登場する騎士やRPGの敵キャラにされがちな重戦士が現実世界で戦っているイメージですね。
傍から見ると、ただ殴り合っているだけで「なんと野蛮な!」と思うかもしれません。しかし、スポーツである以上ルールがあって、勝敗も判定されます。2013年に結成された「ジャパン・アーマードバトル・リーグ(JABL)」のルールも公式ホームページで確認できます。また、ヘヴィファイト練習会「暗黒学園」「健甲会」を主催するバケツヘッドさんによるまとめがわかりやすいでしょう。
ヘヴィファイトは日本ではあまり知られていませんが、国際的な試合も開催されていて、全世界に一定数のファンがいます。そんなヘヴィファイトの模様を写した動画を紹介しましょう。
米スポーツ紙「VICE Sports」が公開した動画には、さまざまな形式の試合が映っています。戦士たちは1対1で戦うだけでなく、何人もの戦士たちが乱闘状態になる試合もあります。1人の戦士を何人かで襲ってフルボッコにしているシーンは本格的ですね。時代が中世にタイムスリップしたかのような錯覚に襲われます。
もちろん、試合は実際の戦場ではなく、敵を殺傷することが目的ではありません。剣や斧の刃の部分は調整されていて、ぶん殴る箇所も決められているのでしょうが……。いくら兜の上からとはいえ、武器でガツンとやられている人を見ると、「痛そうだな」と思ってしまいます。実際、倒れて悶えている戦士の姿も映っていましたし……。
戦士の中には女性もいます。体格の良い女性は手を負傷して休んでいるみたいですが、笑顔がキラキラ輝いています。彼女はケガをすることも覚悟の上で戦っているのでしょう。勝っても負けても得られる喜びがあるのだと思います。
熱を帯びた攻撃の応酬や武器と防具がぶつかり合う瞬間、そのときの金属音など、観客を興奮させる要素もたくさんあります。プロレスやボクシングといった格闘技と同様のエンターテイメント性が魅力的ですね。もちろん、戦士個人の背景にはそれぞれドラマがあるのでしょうが、それがわからなくても、試合を通して伝わってくる熱い思いがあります。