大きなヘビに丸呑みされた人間は窒息や圧迫などの理由で死亡します。一方、ヘビの消化器官は大きな獲物を丸呑みして消化するために適応していますが、人間の消化には適していません。そのため、ヘビは内臓を損傷したり、消化不良が発生したりする可能性があります。
世界最大のヘビはアナコンダです。アナコンダはボア科アナコンダ属に分類されます。南アメリカの熱帯雨林や沼地に生息することからもわかる通り、水辺に近い場所を好み、水中での生活に適応しています。アナコンダの種類としては、イエローアナコンダとグリーンアナコンダが有名です。グリーンアナコンダは体長は最大で全長9メートル以上に達することがあります。一方、グリーンアナコンダよりもやや小型のイエローアナコンダは、全長3~4メートルほどです。アナコンダは、強靭な筋肉と大きな口を持ち、鋭い牙で獲物を捕えます。獲物を丸呑みするときは、獲物を押し潰してから飲み込むのが一般的です。
伝説や映画などでは、アナコンダが人間を襲うシーンがしばしば描かれます。しかし、実際に人間を襲うことはまれで、人間を丸呑みした事例は報告されていません。一方、アナコンダ以外のヘビが人間を丸呑みした事例はしばしば報告されます。
例えば、2018年にはインドで、ヘビが農夫を丸呑みしたという報告がありました。このような事例は稀であり、多くの場合、ヘビが人間を襲うことは避けられます。実際、ヘビは人間を攻撃するためではなく、自己防衛や獲物狩りのために攻撃することがあります。
2018年6月15日には、インドネシアのスラウェシ島・東南スラウェシ州のムナ島で、ニシキヘビの体内から女性の遺体が発見されました。死亡した女性は、ペルシアパンラウェラ村に住む女性、ワ・チバさん(当時54)でした。チバさんは6月14日夜、自宅から約1キロ離れた畑に作物の様子を見にいったまま行方不明になりました。翌日、親族や近隣住民らが畑の周辺を捜索し、チバさんのサンダルを発見しました。さらに、そこから約30メートル離れた場所に、全長7メートルのニシキヘビがいました。このニシキヘビは腹が膨れていたため、チバさんを吞み込んだ可能性が高いと考えられました。住民らがニシキヘビを捕獲して殺し、腹を切り裂くと、チバさんの遺体が出てきました。スラウェシ島では、2017年3月にも全長7メートルのアミメニシキヘビの体内から男性の遺体が発見されました。
ヘビが人間を丸呑みするのは稀だとしても、このような事件は実際に起こっています。スラウェシ島の場合、ヘビの生息地が開発などで荒らされた結果、ヘビが餌を求めて農園に現れ、人間を襲ったと考えられています。人間とヘビの共存が成立しなくなったため、恐ろしい事件が多発するようになったというわけです。そんな事件を再現したアニメーションがYouTubeで公開されています。巨大なヘビが少女を頭から飲み込んでいきます。少女は足をばたつかせていますが、決してヘビの口から逃れられません。少女が足先まで飲み込まれた後、ヘビの腹が膨れました。ここで動画は終わっていますが、本来ならばこの後、時間をかけて女性は消化されるのでしょう。ヘビの丸呑みにゾッとさせられます。