日本では近年、男性同士の恋愛を意味する「BL」 「ボーイズラブ」 という言葉をよく耳にします。以前はコミケで販売される同人誌で描かれることの多かった「やおい」(マンガやアニメの男性キャラクター同士を恋愛させるシチュエーション)の範囲が拡大し、男性の同性愛を耽美的に描く作品全般がBLとされているようです。
加えて、最近は「LGBT」に対する理解も社会全体に浸透し、ゲイに対する評価が向上してきたこともあって、いっそうBLの需要は高まっているように見えます。
BLにしろLGBTにしろ、純粋に「多様性を認めましょう」という話ではなく、その背景にはマーケティング的な動きも見え隠れします。特定の性や従来の恋愛に特化した商品が売れにくくなった時代に、購入者層を拡大するため、大手企業が同性愛を商品化しているのではないでしょうか?
また、政治家も人気取りのパフォーマンスとして、同性愛問題に前向きな姿勢を見せることもあるでしょう。こうした動きがあるにしても、日本を含む世界全体が多様性を受け入れるようになったことは歓迎されるべきだと私は思います。
さて、BLが世間一般に受容されていく過程で、昔は二次元の世界で描かれていた出来事が、最近は三次元の世界にも進出しています。都内にはBLカフェが誕生し、2016年からはテレビ朝日系でドラマ『おっさんずラブ』が放送されました。かつては、BLを愛する「腐女子」たちも「二次元はOKだけど、三次元はムリ!」と言っていたのですが、どうやら風向きが変わったみたいですね。
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日本社会の風潮を反映して、コスプレ界隈でもBLを前面に押し出す人たちが出てくるようになりました。今回紹介する動画もその一つです。
BLとはいっても、男同士で手をつないだり、肩を寄せ合ったり、せいぜいがキス止まりです。女性コスプレイヤーが男装してBL風に見せる場合もあります。
しかし、三次元でBLコスプレを行なうためには、コスプレイヤー同士の信頼関係が必要です。また、いくらコスプレとはいえ“誤解”されるリスクもあって、なかなか「公共の場でやってみましょう!」というわけにもいかないはずです。それでも動画のようなBLコスプレがネット上に公開されているのですから、やはり時代は変わったということでしょう。
私は、動画に映っているコスプレの元ネタがよくわかりませんが、雰囲気が上手に出ていて、見ていて「美しい」という印象を受けました。私自身は同性愛に何の偏見はありませんので、身近なところにこうこうカップルがいたら、彼らを祝福するでしょう。
男同士であっても、互いに寄り添い、愛し合うことは大切です。世界のあちこちで紛争が起こっていて、同じ人間同士が憎しみ合っています。そんな時代だからこそ、美しいBLコスプレを日本から世界に発信していくべきだと思います。