アメリカの歌手、アリアナ・グランデさんが、新曲『7 rings』の発売にちなんで、手の平に「七輪」のタトゥーを入れました。「7つの指輪」を縮めて「七輪」にしたわけですが、このタトゥーの写真をInstagramにアップしたら大炎上!「『七輪』は。日本のバーベキューグリルだ」などの指摘が殺到してしまいました。その後、アリアナさんは「七輪」の下に「指」と入れましたが、「日本文化を理解していない」といった批判が続きました。
結果として、「七輪」を彫ったタトゥーアーティストは画像を削除。日本語を勉強して「日本に住んでみたい」と考えていたアリアナさんも、今回の騒動で日本語の勉強をやめる決意を固めてしまいました。日本に好意的だったアリアナさんに不快な思いをさせ、日本に愛想を尽かせてしまった批判は、そもそも必要だったのでしょうか?日本人の外国人に対する不寛容さが明らかになった事件でした。
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そんな話題沸騰中の七輪について、YouTube動画で勉強してみましょう。
動画は、釣ってきたニジマスを七輪で炭火焼きにする一部始終を映したものです。ただ、ニジマスを焼くシーンだけでなく、火起こしから順に手順を見せる構成になっていて、私のように七輪を使ったことのない視聴者にもありがたいですね。
まずは金属の筒の中で、枯れ枝に火をつけます。市販の炭を使うのではなく、炭を作るところからスタートです。細い枝で十分に火力が強まったら、太めの枝を入れていきます。最初は白い煙がたくさん出ますが、しばらくすると、それも落ち着きました。金属の筒を取ると、そこには熱を帯びた炭ができていました。
七輪の上に焼き網を載せ、その上に2匹のニジマスを置きます。焼き網に触れて、ニジマスがジュワッと音を立てて……。オレンジ色の炎で炙られて、ニジマスの肉が引き締まっていきます。何度かニジマスをひっくり返すうちに、表面が程よく焦げてきて、見ているだけでこちらもヨダレが……。
七輪でじっくり焼いた魚が美味しいのは、私も知っています。そして、焼き上がったニジマスを背景にドリンクのプルタブを開けるのが、動画のクライマックスです。
一つ一つの動作を丁寧に映した動画からは、自然との共生を望む撮影者の優しさが伝わってきます。「命に感謝。」という文字も、釣った魚の命に対する敬意の表れでしょう。BGMの音楽も動画の魅力を引き立てています。こんなステキな動画を見た後ならば、アリアナさんのタトゥーを批判する気にならないんじゃないでしょうか?
もともと日本文化には、この動画に映っているような優しさや敬意があって、それらが外国人をも魅了してきました。しかし、最近の日本は、偏狭なナショナリズムが蔓延して、多様な価値観を排除する動きが加速しつつあります。そんな時代だからこそ、七輪でニジマスを焼く動画から学ぶべきことがあるように思います。