日本人男性の多くは車大好きです。休日になると洗車を行って、愛車をピカピカにすることに喜びを見出します。「車は男のステータスだ」と考える人もいるでしょう。近年は不況の影響で若者の車離れが叫ばれていますが、車好きは一定割合で存在します。彼らにとっては、どんなにお金がかかろうとも、車に対する愛情は消え失せないんですよ。
一方で、どんなに大切にしていた愛車も、いずれは乗れなくなるときが訪れます。中古車として売却できるならまだしも、走行距離や部品の生産終了などの理由から、廃車にせざるを得ないこともあるでしょう。まして、台風や津波で水没した車となれば、修理するのは現実的ではありません。
こうして廃車になった車は、通常は業者に引き取られます。しかし、廃車の行方については案外知られていないものです。今回は、海外では廃車がどうなっているのかを紹介します。やかましい動画ですので、音量にはご注意ください。
赤い車がクレーン車で持ち上げられています。この車が巨大なシュレッダーに投下されました。黒い回転盤が車の後部を巻き込み、後部のガラスがパリンッと一瞬で粉砕されました。頑丈な車体が歪められながら飲み込まれていきます。ひっくり返って、車体の下の黒い部分を見せています。車からしたら、さぞ恥ずかしい姿を晒しているのでしょう。
車にはタイヤがついたままですが、そんなのお構いなしに凶暴なシュレッダーは回転を続けます。粉砕されて出てきた鉄くずは後方のベルトコンベアーで運ばれていきます。細かい破片は、かつて車の一部を構成していたものです。クレーンに押さえつけられて身動きの取れない車は、こうして細かくなっていくんですね。
キューッと妙な音が一瞬聞こえたかと思うと、車が“倒立”しながら踊り始めました。しかし、すぐに力尽きて倒れ、抗うこともできずにメリメリメリッと回転盤の餌食となっていきます。あれだけ大きかった車体が完全に飲み込まれ、ボロボロの鉄くずと化し、それでもなお、シュレッダーに弄ばれているかのようです。白い煙を巻き上げながら、かつて車だったものはいよいよ完全に食い尽くされようとしています。1つだけ残ったタイヤが宙を舞うのが、車の最後の抵抗のようにも見えます。
完全に粉砕された廃車は、この後さらに素材ごとに分けられて、リサイクルされるのでしょう。廃車の末路を見て衝撃を受けると同時に、シュレッダーの力強さに目が釘付けになりました。