女性の赤い唇には“魔”が潜んでいるような気がします。真っ赤な口紅を引いた唇には、蠱惑的な美しさがあると同時に、その口から発せられる言葉には、「嫌」と言わせない威圧感があるからです。もちろん、後者は単なる思い込みなのでしょうが、私はやはり赤い唇にちょっとした恐怖を感じます。
その原因は、子供の頃に読んだホラーマンガにあるのでしょう。かつて『週刊少年ジャンプ』などで連載されていた諸星大二郎のマンガ『妖怪ハンター』に、「赤い唇」という短編があります。中学3年の美少女、月島令子は、彼女を嫌う女子グループから嫌がらせを受けますが、あることがきっかけで人柄が豹変。真っ赤な口紅をつけるようになった令子が次々と事件を起こしていくという展開です。「赤い唇」では、タイトルの通り、赤い唇が魔性の存在として、艶めかしくも不気味に描かれているんですよね。
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そんな私のトラウマ経験はさておき、赤い唇の魅力をたっぷり映した動画をYouTubeから紹介します。マドンナのコスプレをした美女が、何かを語りかけるかのように唇を動かします。その唇には真っ赤な口紅が引かれていて、口の動きに合わせて光沢を放つんですよ。
そして、唇の間からヌルリと現れる舌――。飛び出した舌先は、自由を求めて上唇を舐め上げ、ぐるりと一周して、下唇も舐めていきます。唾液で濡れた舌それ自体が、女性から独立した生き物であるかのような動きで、赤い唇の上を這い回ります。女性の舌をまじまじと眺める機会は少ないでしょうから、そういう意味でも貴重な映像です。舌の裏側の筋まではっきりと見えるのですから。
『妖怪ハンター』の「赤い唇」に登場した月島令子を忠実に実写化すれば、きっとこんな感じになるんでしょうね。この口で「黙りなさい」と命令されたら、確かに何も言えなくなると思います。赤い唇と舌の“魔術”が人の心を惑わします。